ほんのりと怖い話スレ その113
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1447451557/
986 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/01/15(金) 19:28:40.20 ID:w7As0H5W0.net
中学生の頃に亡くなった叔父の形見分けでカメラをもらった
別に何か勉強するなんていうこともせずにただ気になったものをパシャパシャとやっていた
パシャリって音がするギミックに惹かれて居たんだと思う
カメラと一緒についてきたフィルムを空にした頃に親にせがんで現像させてもらった
自分の作品っていう意識が日に日に芽生えて予定日の前日はまるでねむれなかったっけな
当日行くとカメラ屋さんがやたら険しい顔をしていて
フィルムも切断されたうえで繋ぎ直されてた
各一枚ずつ焼いてもらったはずの写真もやけに少ない
一緒についてきた親が俺がショボーンとしたものだから一体これはどういうことなんだと詰め寄った
渋々みたいなかんじでチョット席を外して二人でいろいろ話してたと思う
どのくらいだっただろうかな
親が戻ってきて写真屋のおじさんは全然悪くなかったよと言ってくれた
それからもいつもそんなかんじ
やがて両親から叔父のカメラより格は落ちるけど新製品を買ってもらってそのカメラの事は忘れていた
やがて撮影そのものに興味を失っていった
987 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/01/15(金) 19:29:18.91 ID:w7As0H5W0.net
はじめて自分で選んだカメラを買おうとしたのが大学時代
成績優良な単位のキャッシュバック制度みたいなちょっと面白いのがあって
返金された金は稼ぐ面白さの勉強と思って自由に使っていいと親がいうので考えていると
デジタルカメラの普及に合わせてカメラ屋とかが衰退してた時期だったので
実家近くのカメラ屋さんが閉店セールをやっていたんだ
入店するやいなや俺をまじまじと見てからぎょっとする店主さん
カメラの品定めをすると露骨にそわそわしだす
で、やっと選んでこれ手にとって見ることできますかというと
「周りが迷惑するからカメラはやめたほうがいい」
こういう言われ方したものだからおれもムキになってしまい口論に
すると筋の通っていないことしか言えない弱った店主さんが教えてくれた
「君が撮った写真は奇妙だ」
職業柄、預かったネガはけして捨てないからあるはずだというんで
その日はいつ伺えばいいかだけ決めて半信半疑で帰った
当日、店主さんが真っ青な顔で俺を出迎えた
見せてもらった写真はどれも普通に見えた
抗議すると昔あったものが消えているだけで
君の怖い写真についてなら親御さんに聞いてみればいいという
じゃあなんでそんなに怯えているんですかと聞いたところで
「原因は君だから、そうまで言われたなら」
ってかんじで店の奥にあがるように言われた
ビデオデッキにカセットを入れるまでは意味がわからなかったけれども
なんか作業してる店主さんが赤い部屋にいた
やたら怯えていて周囲とビデオカメラを気にしているんだが
その後ろとか横とかにふっと現れてはフッと消えるモヤがあった
「……この商売で怖いことっていったら君に関わるまでいかがわしい写真の現像を断ったお客さんからの逆恨み位だったよ」
988 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/01/15(金) 19:30:28.24 ID:w7As0H5W0.net
翌年、店主さんから連絡が来て
閉店した後も現像室で不可解なことが起こるから手当たり次第に拝み屋頼んでいたら
当人を連れて来ないと解けないということで呼びだされた
しばらく俺を凝視していた後で、ふっと笑った拝み屋の婆様
隣りにいた助手とかいうおばさんが
「悪いものじゃあなかったようだといっています」
俺語訳で悪いんだがどうもこういうことらしい
婆様の目には霊的イケメンに群がる老若男女がキャーキャーいいながら
次々に成仏っていいのかよくわからんがそんなかんじに見えたらしい
ただあんまり居心地いいんで居残り決め込もうとするのもいて
そういうのがうろついているうちにド天然霊能者に封じられたってことらしい
効き目が切れたらあのイケメン呼んでこいやおらーと顧客名簿もってる店主さんに悪さしたんだとか
「弟子に来ないか」
年収きいてきっぱりお断りしときました