93 :
1/3:2010/07/22(木) 21:19:55 ID:f1/7hwgZ0
スレを拝見すると、沢山の怖い話が結構ありますね。
以下に、俺が体験した出来事を書かせて頂きます。長文な上、身バレ防止の為に多少フェイクが混じってますが、ご勘弁を。
今から15,6年近く前の4月、俺が中学生になったばかりの頃の話です。当時、俺はクラスの美化委員をしていました。
そして、我がクラスの美化委員は、俺以外にもう一人居ました。それが女子のKという人物です。
ある日の放課後。各クラスの美化委員全員が集まる、合同美化委員会がありました。
で、俺はKと共に合同美化委員会が開かれる教室に向かっていたのですが、そこで事件は起きました。
実はその日、俺はずっと腹の調子が優れませんでした。
教師にも体調が優れない事は伝えていたのですが、教師は「薬を飲んでれば治るだろう」といった感じの事を言っていました。
まあ、俺自身も薬を飲んだりトイレに行けば治るだろう、と楽観視していました。
…しかし、時間の経過と共に腹痛は酷くなってきていました。
そして委員会に向かう途中の階段で、俺は腹痛の為に歩くことはおろか、立っている事すら出来なくなりました。
ここまで体調が悪くなるのは人生初でしたので、かなり焦った記憶があります。
まさか腹痛で歩く事すら出来なくなるとは…と唖然としました。
さて、階段の踊り場で座り込んでしまった俺ですが、Kは俺を無視して歩いて行こうとしています。
俺は咄嗟に「腹が痛くて立つことも出来ない。悪いけど、先生を呼んできて欲しい」と言いました。 94 :
2/3:2010/07/22(木) 21:23:46 ID:f1/7hwgZ0
するとKは…これは、今も忘れる事が出来ないんですが、俺の方に振り向くと「そんなの、自分でやればいいでしょ!」と叫ぶと、俺を放置して行ってしまいました。
Kの、ドッシリとした後姿(Kは、かなりの肥満体型でした)が階段の上に消えてゆき、俺は1人取り残されました。
誰かに助けを求めたくとも動けない、腹の痛みで叫ぶ事も出来ない…しかも放課後なので生徒の往来も無い…もしかして、このまま死んでしまうんだろうか、と本気で焦りました。
そんな感じで、しばらく踊り場でウンウン唸っていると、偶然にも別の男子生徒が通りかかってくれました。
彼は「どうした、具合が悪いのか?待ってろ、先生呼んでくるから!」と言って立ち去り、その後すぐに先生が駆け付けてくれました。
その後病院に運ばれて診察を受けた結果、俺は盲腸炎に掛っているのが判明し、即手術。
手術をした医師が言うには、盲腸は破裂寸前の状態になっており、あと少し遅ければ危険だったとの事でした。
今、こうして俺が書き込みが出来ているのは、先生を呼んできてくれた彼のお陰です。本当に感謝してもし切れません。
退院後お礼を言おうとしたんですが、何年何組の何と言う生徒かも分からないので、とうとうお礼も言えずに卒業となってしまいました。
もちろん先生にも聞いたのですが「ちょっと分からないな…顔も良く憶えてないしなあ」と返されました。 95 :
3/3:2010/07/22(木) 21:26:06 ID:f1/7hwgZ0
今、あの時の事を思い出すと、ひょっとしてあの生徒は…?と考える時があります。
病気の人間を助けたとなれば本人も鼻が高いでしょうし、周囲の噂にだってなる筈なのですが、そういった事も聞きませんでした。
そういえば、彼が先生を呼ぶ為に立ち去る時、一瞬で目の前から消えたような気が…強烈な痛みで幻覚を見たのかも知れませんが。
幽霊というと、とかく恐怖の対象になりがちです。が、果たして怖いだけの存在なんだろうか?と思います。
人間に怖い思いをさせる幽霊も沢山居るでしょうが、中には良い幽霊も居て、生きている人間を助けてくれる場合もあるんではないか、と。
ただ、それと同時に恐怖もあります。先生を呼んでくれた生徒に、ではありません。
あの時、俺に対して「そんなの、自分でやればいいでしょ!」と叫んだK。その時の形相が忘れられません。
そして肥満体の彼女から発せられた、太った人間特有の声…今も耳に残っています。
俺は、Kのような人間が一番怖い存在だと思うのです。あの、何かに取り憑かれたような顔、野太く冷徹な叫び声。
まあ、本当に何かに取り憑かれていたのかも知れませんが、今もあの顔と声はトラウマです。
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