|д゚)オカルト中毒

http://chudoku200.blog66.fc2.com/
ヘッドライン

何年か前の冬、車で夜の山道を運転していたときの話
このエントリーをはてなブックマークに追加 

[ 2014/12/06 10:51 ] 怖い話 | CM(2)
死ぬ程洒落にならない話を集めてみない?
http://toro.open2ch.net/test/read.cgi/occult/1395334657/


118 :名無しさん@おーぷん :2014/07/27(日)02:26:04 ID:a84bP2ReZ

何年か前の冬、車で夜の山道を運転していたときの話。

冬用のタイヤを装着しているとはいえ、カーブが多い上に凍り付いた山道を走るのは緊張する。
スリップすればガードレールを突き破って崖下にダイブする羽目になるのは目に見えているからだ。
実際その山道では冬の事故が多く、毎年のように負傷者や死者が出ていた。
何度かハンドルを取られそうになりつつ、慎重に運転していた。

そのとき、不意に背後から光が差し込んだ。
バックミラーを見ると、いつの間にかピッタリ後ろを別の車が走っていた。
あまりにもピッタリと密着しすぎているせいで、相手に道を譲るためにスピードを落として路肩に寄ることすら難しそうだった。
少しスピードをあげて引き離してから同じことをしようにも、折悪く、場所は急カーブの連続で路面もツルツルに凍り付いている。
下手にアクセルを踏もうものなら崖下に真っ逆さまだ。
苛々しつつ、慎重の上に慎重を重ねてカーブ地帯を乗り切った。

まっすぐな道に出たので少しスピードを上げてから路肩に寄り「ほら、先に行け」と態度で示したが……
そこで初めて、再び後ろが暗くなっていることに気付いた。
おや、と思って振り返った。先ほどまで密着していた後ろの車が、どこにも見当たらなかった。
途中で脇道なんてなかったはずだし、後ろの車がスリップして崖下に落ちたのだとしたら、あれほど密着されていたのだから気付かないはずがない。
「?」
と思いながら、再び車を発進させた。


119 :名無しさん@おーぷん :2014/07/27(日)02:26:26 ID:a84bP2ReZ

しばらく走ると、再びカーナビから「カーブが多くなるので注意してください」的な呼びかけを受けた。
そこに差し掛かった途端、また後ろが明るくなった。
さっきの車だった。追いついてきたらしい。
またピッタリと密着してくる。スピードを落とすことすらできないくらいに。

頭に血が上ったが、怒っている場合ではない。
慎重に、慎重に、慎重に……嫌な汗をかきながら、運転を続けた。
途中でタイヤが「ずるっ」と滑るたびに心臓が飛び出しそうになった。
カーナビは緊張を煽るように「カーブです、注意してください」を繰り返すし。
後ろの車は相変わらず、ぶつかる寸前のところをついてくるし。
それでもようやく、カーブ連続地帯を脱出できた。
また、さっきと同じように暗くなった。直線道路に入った途端、再び背後の車は姿を消していたのだ。
いつの間にか距離を引き離していたのかもしれないし、俺の気付かなかった脇道に入ったのかもしれないが。

心臓はまだバクバクいっていたが、緊張から解放された安堵感よりも嫌がらせを受けた怒りの方が先立った。
嫌がらせを通り越して、あれは事故を誘発していたのかもしれない。
危険な運転をする車がいる、と警察に通報した方がいいかもしれない。
あまりにも接近されていたし夜だったし、だからナンバーまでは確認できなかったが。
とにかく腹が立って仕方がなかった。俺は車内で(目の前にいない相手に対してアレだが)罵声を吐き散らしながら山道を下った。
勿論、直線道路とはいえ道路は氷結しているし、何度ともなくハンドルを取られるしで、慎重な運転を心掛けないと危険な状況に変わりはなかったが。


120 :名無しさん@おーぷん :2014/07/27(日)02:27:01 ID:a84bP2ReZ

それでもようやく麓の市街地に辿り着き、一休みしようとコンビニに駐車した。
まだ心臓の高鳴りは収まらない。
シートベルトが何故かなかなかうまく外れないのに苛々しながら、俺は通報のことを考えていた。

具体的に、何といって通報すればいいんだろう。
危険な車がいます、暗くてよく見えなかったけど……で、いいかな。
それでも何とか、覚えている特徴を挙げるとすれば……
車体は、たぶん緑色。車種には詳しくないが、軽自動車だと思う。
ハイビームを浴びていたから車内の様子は分からなかったけど……

そこまで考えた途端、当たり前のように、記憶の中にある背後の車の有様が克明に浮かび上がった。
前部がひしゃげ、フロントガラスは粉々に割れて車内は吹きさらしになっている。
車内は青白い光に満ちており、小さな縫いぐるみや小物類が乱雑に散らばっているのが見えた。
運転席でハンドルを握り、前のめりになってこちらを見ているのは、鼻のない女だった。
大笑いの途中で凍り付いたままピクリとも動かない表情は、まるでプラスチックの仮面のように見えた。
見開いた目は瞬きひとつせず、口もカッと開いたままだ。
鼻は無理やりもぎ取られたかのように無くなっていて、顔の中央にぽっかりと赤い穴が開いているように見えた。
ハンドルをきつく握る指は、幾つかが変な角度に曲がっている。

何だこの記憶、と思った途端、どうして雪道とはいえ運転がしづらかったのか、どうしてシートベルトがなかなか外せなかったのか理解できた。
俺は、ずっと震えていたのだ。
歯の根が合わないし、指は(恐らくハンドルをきつく握りしめすぎたのだろう)ひどく痛んでいた。


121 :名無しさん@おーぷん :2014/07/27(日)02:27:26 ID:a84bP2ReZ

後になって考えると、仮に後ろの車が俺の変な記憶どおりの惨状だったとしても、ハイビームを受けているし夜中だったわけで、そこまで克明に見えるわけがない。
見えたのではなく、見せられていたのではないか。

そして、そんなものが見えたのに俺が事故を起こさず運転できた理由、そして安全な場所に来てから記憶が甦った理由だが……
多分「ここでパニックを起こしたら事故る」「事故ったら、まず助からない」と俺の無意識が判断したからではなかろうか。
だから俺は見えていないはずだった。
でも、実際には見えていた。意識はしていなくても体は知っていた。
だから、ずっと震えていたのではないだろうか。

勿論これは後付けの解釈である。
俺の頭の中のイメージ映像がどうかしている可能性の方が高い。
(ちなみに、一応警察には「危ない車がいる」とだけ通報しておいた。そのあとは何の連絡もないので、どうなったか分からない)

ただ、心霊写真や心霊動画を見るたびに、このときのことを思い出す。
心霊写真は大概の場合、変なものが写っていると後から気付く。撮影時には誰も気付いていないことが多い。
これはもしかすると、あの冬の夜の山道と同じことなのかもしれない、と思うのだ。
目の前に、確かに何かがいたのかもしれない。
しかし、そういう存在を生で見てしまうのは、かなり危険なことなのだろう。
だから脳がそれを拒絶し、撮影者は写真が出来上がるまで目の前の異形の存在を認識することはなかったのだ。
人間の脳ってうまくできてるよな、と思うと同時に、ふと怖くなる。

もしかすると、俺の、もしくはあなたの隣に、あちら側の存在がいるかもしれない。
あなたの肩に顎を置いて、覗き込むようにして一緒にこれを読んでいるかもしれない。
ただ、あなたが認識していないというだけのことで。


122 :名無しさん@おーぷん :2014/07/27(日)02:33:04 ID:a84bP2ReZ
以上です。
自分は幽霊話などについては基本、懐疑派だけど
もしかすると変な存在というのは意外に身近にいて
でも全員「石ころ帽」をかぶっているような状態なのかもしれないなー、と
このとき思いました。終わり。


関連記事
[ 2014/12/06 10:51 ] 怖い話 | CM(2) このエントリーをはてなブックマークに追加

‐全ランキング表示‐ ブログパーツ
2194:名無し中毒:2015/11/18 09:44 -
よくできた話だと感心するが、どこもおかしなところはないな
2604:名無し中毒:2017/09/10 02:00 -
創作でもこれはくそ面白い
コメントの投稿






管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

ちぇりお

Author:ちぇりお
このブログについて


この日記のはてなブックマーク数  このエントリーをはてなブックマークに追加




最新記事
【不思議体験】公園の土管 Sep 21, 2017
【不可解な話】ジイちゃんと鏡 Sep 20, 2017
小さい頃、マンホールに落ちた記憶 Sep 18, 2017
叔父夫婦が以前、ある大学寮で住み込みで仕事していた時の話 Sep 17, 2017
通常稲の実る時期よりも早く、一本だけ色づいた稲穂が出ることがある Sep 14, 2017
もしかしたら自分の勘違いかも知れないんだがどうにも納得が出来ない話がある Sep 13, 2017
じいちゃんが満州に徴兵されてた時の不思議な体験 Sep 12, 2017
闇夜に佇む少女 Sep 11, 2017
電車から全身血まみれというか怪我まみれで包帯まみれの中学生くらいの男の子が降りて来た Sep 10, 2017
昔付き合ってた彼女(看護師)から聞いて、一番怖かったのが「手術室に出る幽霊」の話 Sep 03, 2017
過去ログ +

2017年 09月 【11件】
2017年 08月 【12件】
2017年 07月 【11件】
2017年 06月 【9件】
2017年 05月 【10件】
2017年 04月 【10件】
2017年 03月 【10件】
2017年 02月 【11件】
2017年 01月 【10件】
2016年 12月 【10件】
2016年 11月 【12件】
2016年 10月 【8件】
2016年 09月 【10件】
2016年 08月 【10件】
2016年 07月 【13件】
2016年 06月 【16件】
2016年 05月 【13件】
2016年 04月 【12件】
2016年 03月 【15件】
2016年 02月 【13件】
2016年 01月 【10件】
2015年 12月 【15件】
2015年 11月 【14件】
2015年 10月 【22件】
2015年 09月 【14件】
2015年 08月 【13件】
2015年 07月 【14件】
2015年 06月 【12件】
2015年 05月 【16件】
2015年 04月 【14件】
2015年 03月 【27件】
2015年 02月 【17件】
2015年 01月 【25件】
2014年 12月 【26件】
2014年 11月 【23件】
2014年 10月 【20件】
2014年 09月 【18件】
2014年 08月 【20件】
2014年 07月 【25件】
2014年 06月 【21件】
2014年 05月 【18件】
2014年 04月 【17件】
2014年 03月 【16件】
2014年 02月 【18件】
2014年 01月 【25件】
2013年 12月 【20件】
2013年 11月 【22件】
2013年 10月 【10件】
2013年 09月 【11件】
2013年 08月 【13件】
2013年 07月 【10件】
2013年 06月 【5件】
2013年 05月 【10件】
2013年 04月 【8件】
2013年 03月 【11件】
2013年 02月 【6件】
2013年 01月 【7件】
2012年 12月 【13件】
2012年 11月 【8件】
2012年 10月 【7件】
2012年 09月 【5件】
2012年 08月 【6件】
2012年 07月 【4件】
2012年 06月 【4件】
2012年 05月 【5件】
2012年 04月 【4件】
2012年 03月 【3件】
2012年 02月 【1件】
2012年 01月 【2件】
2011年 12月 【3件】
2011年 11月 【3件】
2011年 10月 【6件】
2011年 09月 【4件】
2011年 08月 【7件】
2011年 07月 【3件】
2011年 06月 【3件】
2011年 05月 【5件】
2011年 04月 【3件】
2011年 03月 【2件】
2011年 02月 【7件】
2011年 01月 【6件】
2010年 12月 【9件】
2010年 11月 【4件】
2010年 10月 【7件】
2010年 09月 【11件】
2010年 08月 【7件】
2010年 07月 【11件】
2010年 06月 【4件】
2010年 05月 【7件】
2010年 04月 【10件】
2010年 03月 【7件】
2010年 02月 【9件】
2010年 01月 【20件】
2009年 12月 【10件】
2009年 11月 【7件】
2009年 10月 【6件】
2009年 09月 【3件】
2009年 08月 【8件】
2009年 07月 【21件】

アクセスランキング
LINK
ブログ開始から何日経った?
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
検索フォーム
QRコード
QRコード
全記事表示リンク


Back To Top