◇ 心霊ちょっといい話 ver.18 ◇
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327 :
本当にあった怖い名無し:2012/02/10(金) 21:10:53.50 ID:vgbMiZYq0
2年前、彼と死別しました。
彼が亡くなる3ヶ月ほど前、デートでの出来事です。
彼は私の膝枕が大好きで、公園のベンチで膝枕をしていたときのこと。
私が「なんか○○ってクマさんみたいだね」って言うと
彼は「そうかな? 生まれ変わったら優しいクマになってお前を癒してやるよ」って
優しい笑みを浮かべて言いました。
彼はその後、病でこの世を去りました。
私は生きる望みを失い、呆然としたまま毎日を過ごしていました。
友人が見かねて気分転換にハイキングに誘いました。
春の日差しが暖かい、近くの山へ行ったときのことです。
久しぶりに自然に触れた私は、友人の優しさを感じて
久しぶりに憂鬱な気持ちを忘れていました。
そんなときです。遊歩道の近くで私たちは1頭のクマに遭遇しました。
そのクマは体長170cmほどで、冬眠を終えたころみたいでした。
友人は恐怖心からそそくさと逃げ出しました。わたしも冬眠明けのクマの
恐ろしさは知っているつもりでした。
私は恐怖のあまり腰を抜かし、その場にへたり込みました。
328 :
本当にあった怖い名無し:2012/02/10(金) 21:18:04.47 ID:vgbMiZYq0
そのクマは、私に近づいたかと思うと、いきなり匍匐前進のように
私の元へやってきました。
「食べられる」と直感しました。
しかし、私の膝のにおいをかぐと、いきなり膝に頭を乗せて甘えだしたのです。
私はあっけにとられました。野生のクマがそんな行動をするなんて・・・
しかも体長170cmといえば立派な大人のクマです。
クマは私の膝で頭をすりつけたり、私に向かって甘えるように手を伸ばします。
いつしか私は涙を流していました。
クマが頭をすりつけたり、手を伸ばす仕草は、まさに彼の動きとそっくりだったのです。
「本当にクマに生まれ変わったの・・・?」と涙ながらに思っていると
クマは私の顔を不思議そうに眺めました。
329 :
本当にあった怖い名無し:2012/02/10(金) 21:22:57.53 ID:vgbMiZYq0
そうしてそのクマは私が流した涙をペロッとひとなめすると
「○○が元気そうでよかった」と言っているように見えました。
それから私にキスをするかのように鼻を近づけ、もう一度私の唇をなめると
森の奥に消えていきました。
友人は「大丈夫だった? 食べられるかと思った」と泣きながら寄り添ってきました。
私はいまだにあのクマが彼の生まれ変わりだと思っています。
乱筆乱文失礼しました。
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逢いたいな、どんな姿でもいいから。一目 でも。